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専門医に聞きました

ふつうのお子さんと同じように運動や部活ができる「ぜんそくのない生活」をめざしましょう 群馬大学 名誉教授/社会福祉法人希望の家 附属北関東アレルギー研究所 所長 森川 昭廣先生

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Interview1

1.ぜんそくの子どもは、学校行事や部活動に参加できないことがあります。他の子どもと同じような学校生活を送れないものでしょうか?
1.お子さんにあった治療を続ければ、学校行事や部活動に参加できるようになります。ぜんそくの治療は、健康なお子さんと同じように日常生活を送れることを目標にしています。

私が診ているぜんそくの子どもたちの中にも、ぜんそくのために学校を休んでしまったり、楽しみにしていた学校行事をあきらめなければならなかったりする子どもがいます。さらには野球やサッカーなど運動部の活動、さらには吹奏学部などの文科系の部活動を続けることをためらって、どうしたらいいかと相談を受けることが多くあります。小児気管支ぜんそくの治療では、例えばスポーツを含めた日常生活が送れること、夜の睡眠が充分にとれること、学校を休まないこと、さらには肺機能が正常なことなどを目標にしています。ご家族の方たちは、目標達成に向けて、医師と相談しながら治療を進めて行くことが重要だと思います。

2.ぜんそくを治療するとき、先生方がどんなことを治療目標においているのか、くわしく聞かせてください。
2.小児気管支ぜんそくの治療目標を、次の6つにおいて治療を進めています。

ぜんそく治療・管理ガイドラインでは「ぜんそく治療目標」を、次のように6つかかげていますので、ご紹介します。

3.ぜんそく治療の結果、学校行事や部活に参加できるようになった子どもたちの具体的な例を紹介してください。
3-1.テニスや陸上競技など、スポーツを含む日常生活を普通に送れるようになりました。

最初にスポーツを含め、日常生活が普通のお子さんと同じように送れるようになったお子さんふたりを紹介します。ひとりは14歳の男のお子さんです。最初は風邪を引くと発作が出る程度でしたが、テニスの部活をすると、疲れ果てて帰宅。「発作を出さない治療」を始めたところ、部活動を休まなくてもすむようになり、帰宅時の疲れも軽減しました。健康なお子さんとまったく同じ生活を取り戻した例です。もうひとりは、16歳の男のお子さんです。「発作を出さない治療」をすると、短距離のダッシュが楽になり、1500メートル走ではタイムを1分近く縮めることができました。本人は“呼吸するのがこんなに楽なことなのか”と治療による効果を実感していました。

3-2.昼夜を通じて、ぜんそくの症状がなくなりました。

感染による発作が多く、入院を数回していた6歳のお子さんです。学校では、運動誘発発作を起こしていました。従来の薬剤に「発作を出さない治療薬」を加えた治療をしたところ、運動誘発発作も夜の発作も起きなくなり、その結果入院することもなくなりました。お母さんとしては、本人が明るくなったことを喜んでいますし、お母さんの負担も軽減して楽になったとおっしゃっています。また、中学の吹奏学部のお子さんの場合は、トランペットを吹くと息切れで部活ができなくなっていましたが、「発作を出さない治療」によって息切れがまったくなくなったということです。

3-3.学校の欠席日数が減り、病弱なイメージがなくなりました。

9歳の女のお子さんは、日常的にぜんそくの発作があって欠席日数は年間20日以上になっていました。ぜんそくの十分なコントロールができていなかったため、「発作を出さない治療」を毎日続けました。すると、翌年は学校の欠席日数が4日に減少しました。それまではクラスメイトから病弱な子どもだと思われていたようですが、治療後は、病弱なイメージが一掃されたと喜んでいました。

3-4.発作止めのβ刺激薬を減らすことができました。

5歳の男のお子さんの例です。大きな発作は起こさないものの、小発作を時々起こしては発作止めのβ2刺激薬を吸入していました。寝る前も不安感からβ2刺激薬を吸入していたそうです。「発作を出さない治療」をベースに治療を組み立てたところ、不安もなくなって β2刺激薬をほとんど吸入しなくてもすむようになりました。こういう患者さんは結構多くて、患者さんのQOLを考慮した治療をすることの重要性を再確認しています。

「ぜんそくのない生活」への第一歩は、症状を把握し、担当医に相談するところから始まります。
ぜんそく治療ガイドラインに沿った治療をすることによって、ぜんそくをよりよくコントロールできると、日常生活を普通に送れるようになります。そのためにはまず、ご家族がお子さんのぜんそくの状態を正確に把握し、それを担当医に話していただくことです。そこから、「ぜんそくのない生活」への第一歩がはじまります。

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